とある年の差カップルのほのぼのな日常

“何を言われても”俺はウメがいい

そもそも梅乃は、それなりに美人な女性だ。

元夫・ケイタロウも、結婚当初は梅乃を妻に出来たことを嬉しく思っていた。

梅乃とケイタロウは、両親に“見合いさせられた”者同士だ。

二人の両親はどちらも、昔堅気で“子どもは親の言う通りのレールを歩むべき”と言う考えだった。

それでも梅乃とケイタロウは、努力して結婚生活を楽しもうとしていた。

そこにまた両親達が、二人に追い打ちをかけるように“早く孫の顔を見せろ”と言い始めたのだ。

それがプレッシャーになり、ケイタロウは梅乃との生活に“負担”を感じるようになっていった。

そして梅乃も、それが“苦痛”になっていく。

結婚して、三年が経った頃。
ケイタロウが浮気を始めたのだ。

情けない話だが、梅乃は浮気をされていたことを全く気づけていかなった。

ケイタロウに離婚の話をされるまで、気づかなかったのだ。

『君の他に、好きな女が出来た。
別れてほしい……！』

そう言われて、離婚届と現金10万円を渡されたのだ。
(浮気相手に金を注ぎ込んだので、ケイタロウは金をあまり持っていなかった)

しかしこの時梅乃は、正直ホッとしていた。

あぁ…もう、この苦しい生活から抜けられる………と。

ミサコは『はぁぁ！？たった、10万！？バカにしてんの！！？』とご立腹だったが、梅乃は安心していたのだ。

見合いをさせられ、子どもを作ることを強要され、それでもケイタロウのために必死に尽くす。

ケイタロウとの結婚生活の五年間、ただ…必死に生きてきた。

梅乃の心は、ボロボロだったからだ。

しかし一人になると、今度は“捨てられた”と言う感覚に襲われた。

離婚したことで両親には「ケイタロウさんの浮気はお前のせいだ。お前のせいで、恥をかいた」と“絶縁”された。

ケイタロウには浮気され、両親には絶縁されて………

そしてミサコだけが親身になってくれて、なんとか一人で生きてきた。

そうやってゆっくり少しずつ一人の生活に慣れ、一人でも楽しく生きていこうとしていた、八年後………



我成に出逢ったのだ………！