ヤンキーくんたちに溺愛されてます！

バチバチに気の張り詰めている教室に、空気を読まないでスタスタと入ってきた赤髪の男の子に、「あ」と目を見開く。


さっき学校まで案内してくれた先輩だ。



「「「北斗(ほくと)さん！おはようございます！」」」



みんなして仲良く声を揃えながら頭を下げたヤンキーたちに、思わずぎょっとする。


人のことをあんなにバカにしてきた角刈り男まで綺麗にお辞儀をしていた。



「あーあ、綺麗な髪の毛だったのにもったいない。でも短くても似合ってるね」



優しく私の髪の毛を指に絡めながら、赤髪の先輩がにこっと微笑んできた。



「北斗。早くして。こんなところで時間潰してる暇じゃないんだけど」



さっき私とぶつかって一瞥だけしてきたブロンド髪の男の子が、飴をガリガリと砕きながら睨みつけてきた。


美人に睨みつけられるのはなかなかの迫力がある…。