ヤンキーくんたちに溺愛されてます！

「…なんだ？この学校、女もいたのか？」


「ばか、おまえ…」



ぼそりと呟いた男の子に、角刈りの男が慌てて止めようとしたけどそれよりも早く、机が蹴り飛ばされる音が響いた。



「今、俺のこと女って言ったか？」


「す、すみません！」



こ、こわ…。



「世那(せな)、落ち着け。今は喧嘩してる場合じゃない。おい、おまえら。入学早々時間も守れないのか？くだらない喧嘩をしてないで早く下におりてこい」



その人(・・・)が入ってきた瞬間、教室の空気が一気に緊張と憧れと恐れで張り詰めたのが私でもわかった。



朝、電車で見た紺色の髪の毛の男の子。


きっとこの人が、さっき角刈りの男が言っていた…。