ヤンキーくんたちに溺愛されてます！

トップに君臨する男

「俺のもの」宣言をされてから一時間が経ち、入学式も無事に終わった。


教室内は軽いパニック状態となっていたけど、赤髪の男の人がとりあえず入学式に全員参加するよう促し、その話はそこで終わった。



「おいおまえ！どういうことだよ！あの琥珀さんに気に入られて、“俺の女”発言までされて！」


「…知らないよ。てか俺の女なんて言われてないし、勝手に脚色しないでくれる？」



ホームルームも終わり、解散となった教室はまたもや動物園状態で、私を叩いて髪の毛を引っ張ってきた角刈り頭の男の子も私の座席まで猪のようにドタドタとやってきた。



「てか、あの三人ってそんなにすごいの？」


「はあ！？ほんっとおまえなんも知らないでここに来たんだな！いいか、ここはまずありとあらゆるヤンキーたちが集まると有名な高校で、ここでは年に一度ナンバーワンを決めるために“神王祭(しんおうさい)”が行われるんだ。そこで見事トップに選ばれた男は、全校生徒たちからの絶大な人気と権力を得ることができるんだ。だからみんな死ぬ気でその座を狙ってる。ヤンキーにとってこの高校でトップになることは憧れなんだよ」


「…どうやってトップは決めるわけ？」


「簡単だよ。一番力が強いやつ、喧嘩の強いやつがトップになる。神王祭の日はとにかく一日中拳を振り合うんだ。その上で、全校生徒で投票してその年の“トップ”が決まる。去年は、琥珀さんが開始早々一昨年のトップをぶっ倒したんだ。そっからはもう驚くほど一瞬で神王祭は終わった。理由は簡単。この学校に化け物が三人入ってきたから。その名も、“三獣士”！」