ヤンキーくんたちに溺愛されてます！

女の子は目を疑うかのようなごく自然なしなやかな動きで角刈りを軽々と持ち上げると、そのまま背負い投げをした。


角刈りの短いうめき声と机、椅子の倒れる音で、私たちはハッと我に返る。



「ちょ、大丈夫！？角刈り！」


「私の名前は相染心虹(あいぞめここ)。二年前のトップの妹。ムカつくから、私にえらそうにしないでくれる？」



ざわっと教室の空気が一瞬で変わったのがわかった。



「ちょっと、急に人のこと投げ飛ばすなんて何してるの！？角刈りに謝って！」


「角刈りじゃなくて、永野優馬(ながのゆうま)な…」


「…なに、あんた？弱そうだけど本当にこの学校の生徒？」



女の子、相染さんは私の目の前までやってくると、むにっと私の両頬を片手で掴んできた。



「ひゃにふるほ（なにするの）」