ヤンキーくんたちに溺愛されてます！

突然、十人くらいのガタイのいい男子生徒たちが扉を蹴破って中に入ってきた。



「ちょ、なにあいつら…」


「靴の色からして、一年生だね。力自慢をしに一年生が後先考えずにトップに殴り込んでくるのは、毎年のことだよ。今日だけでもう五回目とかじゃないかな」


「え」



ガンっと蹴られた机が鈍い音を立てて後ろに倒れた。



「北斗、お菓子切れたから帰るわ」


「うん。じゃあねー」



榊世那はヘッドホンを耳につけると、スタスタと廊下を歩いて行ってしまった。



「え、友達が集団で襲われそうになってるのに、あの人帰っちゃうの？」


「ははっ、何言ってるの星奈ちゃん。あの琥珀だよ？俺たちも巻き込まれないように、端っこ移動しようか」