ヤンキーくんたちに溺愛されてます!

惹かれていく〜黒鉄琥珀〜

–––「みんなの責任を負う覚悟もないならトップなんてやめればいい」


–––「私が、神王祭であんたを倒してトップになる。それで、この学校を変えてみせる!」



俺に向かってそんな強気な言葉を吐いてビンタまでしてきた女は、月島星奈が初めてだった。



だから、一目で気に入った。


退屈な毎日が変わるような、そんな予感がしたから。



「角刈り!その限定チーズハムカツパンとメロンパン交換して!」


「はあ!?嫌に決まってんだろ!これはな、俺が死ぬ気で勝ち取った一日限定十五個のうちの一個なんだよ!誰がおまえに渡すか!」



動物園のように毎日騒がしいうちの高校の中でも、一際騒がしいクラスがあると入学式の日から校内で噂になっていた。


それが、月島星奈のクラスだ。



「月島って、本人は多分自覚してないだろうけどかなりの美少女だよな。小さくて小柄なところとか、くりんとしてる目とぷっくりしてる唇とか、女子って感じして結構好きかも…」


「わかる。喧嘩は弱いけど、気は強いっていう見た目とのギャップがまたいいよなー」
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