ヤンキーくんたちに溺愛されてます!
「月島星奈。暇だから、午後はサボりに行くぞ」



クラスメイトの男子とパンの取り合いをしていた月島星奈が、何の汚れもなく透き通っているきれいな瞳で俺を見た。



「…は?行くわけないでしょ。午後は体育があるんだから。サボりたいなら一人でご勝手にどうぞ」


「おまえ、琥珀さんに向かってなんて口の聞き方…!」


「うるさいな、角刈りは黙ってて。私はあんたの奴隷でもなんでもないの。言いなりになんてならないから!わかったら早く自分の教室に戻ってください」



月島星奈はべっと舌を出すと、クラスメイトの男子からパンを取り上げ、逃げるように教室を出て行った。



「あ、おいこら!待てよ!」



バタバタと去っていった二人を見送りながら、ふっと思わず吹き出す。



「振られてやんの。相変わらず、琥珀に牙を向く貴重な子だね、あの子は」


「そこが面白いんだろ」



思い通りにならないからこそ、月島星奈という女に俺はきっと惹かれているんだ。
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