ヤンキーくんたちに溺愛されてます!
「…その名前を出すな、北斗」


「…ごめん。もう時効かと思ったんだけど、そうだよね」



琥珀はさっきまでの空気とは一転して、話しかけるなオーラを放ちながら黙ってプリンを食べている。


一度悪くなった琥珀の機嫌は帰るまでずっと続き、何事もなかったかのように話しかけている北斗くんをことごとく無視していた。



「星奈ちゃん、たしか最寄駅俺たちと一緒だったよね。家、ここから近いの?俺たちで送って…」


「北斗くんだけに、送ってもらう」


「え?」



北斗くんの腕だけを引っ張り、琥珀の顔も見ずに「じゃあ」と告げて歩き出す。


もしかしたら追いかけてくるかも、と思った私の考えは杞憂に終わり、琥珀はいつまで経っても追いかけてこなかった。



「…星奈ちゃん、怒ってる?」


「別に…っ?あいつの過去とかどーでもいいし!」
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