ヤンキーくんたちに溺愛されてます!
北斗くんは困ったように笑いながら、「ちょっとそこで話そうか」と言って近くの公園に優しく引っ張ってくれた。
公園は夕焼けチャイムが鳴った後だからか子どもの姿はなく、北斗くんと空いていたブランコに腰掛ける。
「星奈ちゃんが知りたいのは、あの女のことだよね」
「…あの女?」
「ああ、美来のことだよ」
一瞬、いつもニコニコと笑っている北斗くんが別人のように見えたけど、すぐにいつも通りの北斗くんに戻る。
「俺と琥珀は幼なじみなんだ。幼稚園から高校までずーっと同じ学校通っててね。中学はごく普通の学校に通ってたんだけど、琥珀は喧嘩っ早いからムカつくことがあると相手が上級生だろうと殴りかかるような今よりもだいぶ心が荒れた少年でね。そんな時に出会ったのが一人の女、初目美来だった。全校生徒が琥珀に怯えてたっていうのに、美来は琥珀と出会った瞬間に“生意気だ”って言い放ったんだよ。美来は俺たちの五個上で、愛武くん、あ、琥珀のお兄さんなんだけど、愛武くんと同じクラスで仲が良くて、家にもよく集団で遊びに来てたから、琥珀と出会ったのも偶然なんかじゃなくて必然だったんだよね」
「元私たちの高校に通ってた女の人…?」
「うん、そうなるね。うちの高校に通う女子なんてなかなかいないから、当時美来は有名人だったよ。さすがこの高校に通ってるだけあって、喧嘩もものすごく強かった。そんな人だったてのもあるし、ガキである琥珀なんて全く怖くなかったんだろうね。最初は気の合わない二人だったけど、いつからか唯一無二の存在になっていって、付き合うのも当たり前のようだった。…だけど、俺たちが中学一年生の冬だったかな。美来は浮気をしてたのが琥珀にバレたんだ。そっからはもうあっという間だったよ。言い訳も何もなくあっさり別れを告げた美来は、そのままこの街を出ていって今はどこで何をしてるのかもわからない。一時期は琥珀も荒れていたけど、時間が経つにつれて気持ちと一緒に落ち着いてきた。…そう思っていたんだけどね」
公園は夕焼けチャイムが鳴った後だからか子どもの姿はなく、北斗くんと空いていたブランコに腰掛ける。
「星奈ちゃんが知りたいのは、あの女のことだよね」
「…あの女?」
「ああ、美来のことだよ」
一瞬、いつもニコニコと笑っている北斗くんが別人のように見えたけど、すぐにいつも通りの北斗くんに戻る。
「俺と琥珀は幼なじみなんだ。幼稚園から高校までずーっと同じ学校通っててね。中学はごく普通の学校に通ってたんだけど、琥珀は喧嘩っ早いからムカつくことがあると相手が上級生だろうと殴りかかるような今よりもだいぶ心が荒れた少年でね。そんな時に出会ったのが一人の女、初目美来だった。全校生徒が琥珀に怯えてたっていうのに、美来は琥珀と出会った瞬間に“生意気だ”って言い放ったんだよ。美来は俺たちの五個上で、愛武くん、あ、琥珀のお兄さんなんだけど、愛武くんと同じクラスで仲が良くて、家にもよく集団で遊びに来てたから、琥珀と出会ったのも偶然なんかじゃなくて必然だったんだよね」
「元私たちの高校に通ってた女の人…?」
「うん、そうなるね。うちの高校に通う女子なんてなかなかいないから、当時美来は有名人だったよ。さすがこの高校に通ってるだけあって、喧嘩もものすごく強かった。そんな人だったてのもあるし、ガキである琥珀なんて全く怖くなかったんだろうね。最初は気の合わない二人だったけど、いつからか唯一無二の存在になっていって、付き合うのも当たり前のようだった。…だけど、俺たちが中学一年生の冬だったかな。美来は浮気をしてたのが琥珀にバレたんだ。そっからはもうあっという間だったよ。言い訳も何もなくあっさり別れを告げた美来は、そのままこの街を出ていって今はどこで何をしてるのかもわからない。一時期は琥珀も荒れていたけど、時間が経つにつれて気持ちと一緒に落ち着いてきた。…そう思っていたんだけどね」