ヤンキーくんたちに溺愛されてます!
「なぜおまえがここにいるんだ」



琥珀が聞くよりも先に、素早く走ってきた誰かが美来さんを乱暴に壁に押し付けた。


それは、いつもの笑顔なんて欠片もない鋭く目の前の敵を睨んでいる“三獣士・八神北斗”だった。



「い…ってて、相変わらず琥珀を傷つけられると君は誰よりも怖いなぁ。喧嘩も、少しは強くなったんじゃない?」



あっという間に北斗くんの力強い手から逃れた美来さんが、今度は逆に北斗くんを壁に押し付けている。



「おっと、喧嘩をしに来たんじゃないよ、私は。そうそう、星奈ちゃん。昨日うちのお店来てくれたでしょ?学生証、お店に落っこちてたよ」


「…え?」



美来さんがにこっと愛嬌のよさそうな笑顔で、私の学生証を手渡してきた。



「なんのことかわかんないって顔してるね?ほら、プリンアラモードが有名な。あそこで私、今バイトしてるんだ」


「…あ」
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