ヤンキーくんたちに溺愛されてます!
思わず口にしてしまってからハッと我に返り、慌てて顔の前で手を横に振る。



「そういえば、別に敬語じゃなくてもいいよー。私敬語使われるのあんまり好きじゃないんだよね。壁感じちゃって」


「…じゃあ、お言葉に甘えて」



運ばれてきたチョコレートケーキを美来さんは何度も食べているだろうに、幸せそうに顔を綻ばせて一口一口噛み締めて食べていた。


その姿に思わず昨日の琥珀を思い出してしまう。



「美来さんは今、あのカフェで働いているんですよね?」


「ん?あーあそこはバイトのうちの一つって感じかな。他にもいくつかのカフェを掛け持ちしててね。私、短大卒業してからずっと夢だった看護師に田舎でだったけどなれてね。…でも早くに挫折しちゃって、二年間くらいは頑張ってたんだけど、私に合わなかったものだからあっさり諦めて、しばらくは田舎でできた彼氏と同棲してたの。このままもう結婚でもいいかなーなんて適当に考えてたんだけど、彼氏の浮気が発覚しちゃってね。そんで別れて今はこの街に戻ってきたってわけ」



美来さんは一気に喋ったから喉が渇いたのか、一気に水を飲み干していた。



「ね、星奈ちゃんは琥珀と仲良いの?見た感じだと北斗も気許してる感じだったよね」
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