ヤンキーくんたちに溺愛されてます！

「にしても星奈ちゃん、あんな目に遭ったのにけろっとしてんね。怖くなかったの？」


「んーそりゃ怖かったですけど、喧嘩に巻き込まれるとか日常茶飯事すぎてもう慣れてきました」


「すげぇ、さすがだな…」



元伝説にただの女子高生が感嘆されている光景に、北斗くんがクスクスと笑っていた。



「星奈ちゃんって実は誰よりも強い女の子だと思うよ。今年の神王祭もひょっとしたら星奈ちゃんがトップになったりして」


「トップを目指してるからね！」


「はは、トップを目指してるのか！そうかそうか、それは強いわけだな。トップを目指す女は美来以来だな」



美来さんの名前が出てきて、今まで楽しかった気持ちが一気にしぼんでいく。



「あいつは俺がいなかったらトップにもなれてたんじゃねぇかな」


「そんなわけないよ。愛武くんに勝てる人は誰もいない。いるとしたら琥珀くらいだろうね。少なくとも、俺は美来についていきたいとは思わない」


「…あのな北斗。美来は人を騙して傷つけるようなことをするやつじゃないぞ。おまえたちはずっとあいつを誤解しているけど…」