ヤンキーくんたちに溺愛されてます！

なぜか廊下に昔のヤンキーみたいな格好をした男の子たちが何人もしゃがみ込んだり、未成年のくせにタバコを吸いながらたむろっていて、思わず顔をしかめながら廊下を歩く。


なにこの学校。柄が悪いイキってる風の男の子しかいないわけ？



「…うわっ」



早歩きで角を曲がったから、向こうから来ていた人に気づかなくてぶつかってしまい、その場に尻もちをつく。



「いてて…」



顔を上げると、ブロンドカラーが綺麗な肩までの髪の毛の、制服の下にパーカーを着込んでいる男の子が、ぎろりと私を見下ろしてきた。


女の子みたいに綺麗な整った顔立ちをしながら首元にはヘッドホンをぶら下げていて、棒付きのキャンディーを舐めている姿は少し可愛らしい。



「…ええ？」



男の子は私を一瞥するだけで、助け起こそうともしてくれないし一言も声をかけないまま、スタスタと歩いていってしまった。