ヤンキーくんたちに溺愛されてます！

力説している星奈ちゃんに、クラスメイトたちはぽかーんと間抜けな顔をしていたけど、だんだんと騒がしさを取り戻していった。



「…まあたしかに。普段しないことするっていうのも楽しそうかも」


「俺、宿泊イベントとかで作るカレーめっちゃ好きなんだよな！」


「うわ、わかる。そうだ、最近新しいゲーム買ったから持っていくよ」


「あと二週間しかねぇじゃん！準備しねぇと」



さっきまで校外学習に行く気なんてなさそうだったクラスメイトたちが、楽しそうに未来の話に花を咲かせていた。



星奈ちゃんは不思議な女の子だ。


力が絶対のこの学校で、言葉だけで人の心を簡単に変えてしまうのだから。



–––「怖か…った…っ」

––– 「離して、私は大丈夫だから…」



だけど本当は、弱さを隠しているただの女の子。