ヤンキーくんたちに溺愛されてます!
第三章

溶けるわだかまり

自分の気持ちを自覚してからニ週間が経ち、今日から一泊二日の校外学習だ。



「星奈、窓側座りなよ。景色いいからさ」


「おい月島!これ食うか?新作味でうめぇぞ!」



心虹と角刈りがバスの中でも動物園状態のクラスメイトたちに負けない声量で、私に話しかけてくれる。



二人には、琥珀のことを好きだと気づいたけど諦めると報告をした。


何も聞かないでそっか、とだけ言った二人はその日からずっと私を気にかけてくれている。


その優しさに申し訳ないなとは思いつつも、今は誰かの優しさに甘えていたかった。



琥珀と美来さんがその後どうなったかは知らない。


北斗くんの前で泣いたあの日、私は逃げるように家に帰り琥珀とも顔を合わせないように学校生活を送っていたから。



「それにしても、クラスメイト全員参加とはね。星奈がこの前みんなに力説したからかな。ヤンキー高でクラスメイトが全員イベントごとに揃うって、なかなかないことだよ。すごいね星奈。今日は楽しもうね!」
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