ヤンキーくんたちに溺愛されてます!
「…私は、琥珀のことが好きじゃないよ。ムカつくところいっぱいあるもん。そんなやつのこと好きになんてならないよ。だから美来さんの恋、応援してる」


「え…?」



まだ何かを言いたげな美来さんに「そろそろ時間だからもう行くね」と笑顔で手を振って走り去る。



…私はライバルなんて呼んでもらえる資格なんてない。


美来さんみたいに真っ直ぐ“好き”だなんて言えないから。


後から出てきた私なんかが二人の間に入れるわけがないんだ。



これがきっと、正解なんだ…。





「はぁ…はあ…っ。もう無理…」


「情けないな。それでも男なの?」



息を切らせながら必死に坂を登っていた角刈りの横を心虹が飄々と通り過ぎていく。
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