DEAR 1st SEASON


──ポロポロ…。


大粒の涙が勝手に流れて止まらない。


あたしのせいじゃん…。




自分を責める気持ちと、
さっきの怒鳴り声と、

重なる亮にされた事。




朝岡さんに傷を負わした事。


浮かぶぶんちゃんへの繋がらない気持ち。




……最近泣いてばっかりだ。




もうやだ──……。

やだよ…。






───ポンポン。



シトラスの香りがまた胸を狭くする。





「泣くなって。

俺助けた意味ないやん。」




苦笑する朝岡さんに優しく頭を撫でられる。


その手が温かすぎて余計に視界が揺らいだ。





「…それよりさ、あんな怒鳴られて怖かったやろ?」



「……う……ん…」



「彩がコンビニ入る前から俺おったの気ー付いてた?」



「……え……」





ウソ…?





「たまたまやけど雑誌読んでてさ。
彩がコンビニ出て行く時に気ー付いて…


声掛けようかなぁって思ったらぶつかって怒鳴られてたから…」




「………そうだったんだ…」




「もっと早くに声掛けてたらあんなんならんかったかもな。


ごめんな。」




それを聞いて思わず顔が上がった。





「──何で朝岡さんが謝るの?



謝るのはこっちだよ…



巻き込んじゃってごめんね…」

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