DEAR 1st SEASON
「だって彩も悪くないやん?
それに自分から巻き込まれに行ったのは俺やから。」
朝岡さんはまた優しく笑う。
…あくまでもあたしを責めはしない。
「……ありがと…」
「…うん、そっちの方がええな。」
「え?」
朝岡さんの黒い透き通った瞳から何故か視線を外せない。
「俺は“ごめん”より
“ありがとう”って言われる方が好きやねん。
…謝られるの、あんま好きじゃないからさ。」
「………」
……この時、
あたしには朝岡さんがすごく大きく見えた。
──“ごめんね”より
“ありがとう”。──
そうだよね……。
そっちの方が嬉しいよね…。
「……ありがとう……」
謝るしか脳がない自分が急に恥ずかしくなって。
「……ちょっと待ってて?」
あたしはそう朝岡さんに告げると、小走りで公園の端まで移動した。