DEAR 1st SEASON



外を出た途端に雨は止み、しばらくすると雲までもが晴れていった。



変な天気…。


今ではすっかり雲の隙間から太陽の光が射し込んでいる。


さっきまでの雨が嘘のよう。


でも、やっぱり梅雨は梅雨。




カラッとした感じはゼロ。




「あっつ……。」




文句を言いながら蒸した中を歩き、ようやく学校に到着した時には体全体が汗ばんでいた。



1時間目は何だっけ…。



ごったがいする下足室で上靴に履き替え、廊下に出た時だった。



……………えっ?




思わず足が止まる。





目の前を通り過ぎようとしているのは……




ぶんちゃ……ん……?




───そう。




あたしのわずか数メートル先には、ぶんちゃんがいた。




──最悪な事に、


横に彼女を連れて……。
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