DEAR 1st SEASON
泣かない──…。
泣いたらダメ。
泣いたら余計に自分が惨めになる。
───分かってるのに。
なのに、最近緩みっぱなしの涙腺からは涙が今にも零れ落ちそうだった。
今──…。
あたしの存在にも気付いて貰えなかったのかな…。
そんなの悲し過ぎる…。
数日前に起こった事は夢だったかもしれない。
そう感じざるを得ない程、あたしとぶんちゃんには距離があった気がした。
───…とその時。
………ヴーヴー…。
ふいにポケットからバイブを感じる。
……携帯……?
一体誰から…。
ぐっと涙を堪えて、あたしはピンクに光るイルミネーションを見つめた。
………ぶんちゃん……?
間違いなかった。
画面には確かにぶんちゃんからの新着メールの文字があったから…。