DEAR 1st SEASON
外はさっきと打って変わって晴天。
ただ辺りには雨の匂いが名残惜しく残るくらいだ。
ナナは近くの公園にあたしを引っ張り、濡れていない芝生を入念に見つけ出してあたしを座らせた。
「あ~♪
ピクニック日和だねーっ♪」
ナナは上機嫌に空に向かって言うとガサガサとコンビニ袋からサンドイッチを取り出した。
「彩、サンドイッチいる?」
「……」
「いらないの?
じゃ、カフェオレ飲みなよ♪」
「………」
ナナに手渡されたカフェオレを見つめながら、
何も動けない自分に心底驚いた。
“無気力”とはこの事か。
しまいには呼吸する事も忘れてしまいそう。
「………」
空に向けて潤む視界を切り替えた。
青と白のコントラストが今は眩しい。
どうやら空はあたしの機嫌とは正反対らしい。
「……で?
もう一回聞くけどどうしたのさ?」
「………」
黙るあたしからナナはカフェオレを奪ってポツリと話し始めた。
「ナナが思うに、
最近学校休みまくった事と関係あるのかなぁと予測してるんだけど。
ナナはここにいるから、話したくなったら彩が話して?
ムリヤリは聞かないよ。」
──…そう言って。
ナナはそっとあたしに手を重ねた。