DEAR 1st SEASON
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……………
……………
「………ナナ…?」
「──ん?」
「──あのね…………」
結局………。
穏やかな景色に不釣り合いの緊迫した雰囲気をしばらく保った後。
あたしがナナに口を開いた時間がどれだけかかったのかは正確には知らない。
何十分だったのか何時間だったのかなんて定かではない。
でも。
ナナはあたしが自分から話すまでは何も追い詰めたりはしなかった。
話しながら何度も詰まって再び話せなくなっても、ナナはずっと待っていてくれた。
亮からの途切れる事はない電話。
亮から見境なく殴られた事。
性暴力になりそうだった事。
ぶんちゃんに救いを求めた筈が、逆に自らの首を締める要因になった事。
死んでもいいと本気で願い実行したけど、死にきれなかった事。
ぶんちゃんからのお見舞いとサプライズプレゼント。
“近付けたかも”
という嬉しさと
“何故?”
という疑問。
──そして今、ぶんちゃんから知らんふりされた事…。
彼女と自分の比較。
劣等感、焦燥感、嫌悪感、孤独感………。
渦巻き混ざり合う複雑な思い。
───全てを話し終えた後。
ぐちゃぐちゃに泣いて膝を抱え込むあたしと、それを支えるナナの姿が在った。