DEAR 1st SEASON
もしかしたらナナに気持ち悪がられてるかもしれない。
自分で自分を傷つけて、存在価値を探す事なんて普通に誰も理解してくれないだろう。
……言うんじゃなかった…。
耐えきれず俯くあたしに、
再びナナの手が触れた。
「……これからは、
何でも話してね…?」
「……え……」
驚くあたしに、ナナはやわらかな微笑みを向けた。
「ナナら友達っしょ?」
その一言で、
心にポツリと光が灯った。
友達でいてくれるの?
あたしが気持ち悪くないの?
そんな悩みも、ナナの笑顔を見れば吹っ飛んで行く。
「……ナナ………」
「…ねぇ、彩はこのままでいいの?」
「………」
「高山さんが好きなんでしょ?」
「………うん……」
小さく頷くあたしに、ナナはにっこりと微笑んだ。
「じゃあ頑張れっ!
…ま、多分普通は相手が彼女有りなら応援しちゃダメなのかもしんないけどさ。
彼女なんかに負けるな!!」
次の瞬間、バシリと背中に気合いを入れられて。
「……ったぁ……」
「気合い気合い♪」
軽く文句を言うあたしに、ナナは悪戯っぽく笑った。
───…ねぇナナ。
背中押してくれてありがとうね。
このときナナに応援してもらってなかったら、
多分あたしはこの時点で諦めてたと思うんだ。
友達っていいなって。
心の底からそう思ったよ。
……ありがとうね。