DEAR 1st SEASON
──…ポタッ。



ポタッ───…。




床に滲む血を見て、
不気味に笑う自分の姿があった。




──…みんな血と一緒に流れてしまえ。




また手首に新しい傷が増えていく。





“傷ついた証”。


“悲しみの証”。




……やめられない。



切る事は生きる事。



生きる為に切る。





────………。






それから何時間経っただろうか。





「彩ー。
知り合いの方が来てるわよ。」




お母さんの声で目が覚める。




「………え?」




いつの間にか寝ていたらしい。


手首はベッドの中に綺麗に隠れている。




よかった。

お母さんには死んでも見つかりたくない。





それより──…。




「知り合いって?」





一体だれ──…?

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