DEAR 1st SEASON



「飯、もう食った?
腹減ってる?」


「ううん、空いてない…。」


「そっか。」



「………」




さっきあたしが朝岡さんに八つ当たりしたからか。



会話はすぐに途切れて、何を切り出したらいいか分からなくて。



やっぱり謝らなきゃ─…。



そう思い、口に出そうとした瞬間。





「……彩、ごめんな…。」




───…え?



あたしが言おうとした言葉が、先に言われてしまったのにもビックリしたけれど。



でもそれよりビックリしたのは──…。




「何で朝岡さんが謝るの?」




だって、悪くないでしょ?


あんなにひどい事言ったのはあたしでしょ?


八つ当たりしたのはあたしでしょ?



何で───…?





「いや、彩の事考えずに軽率な事言って悪かった。」



「…そんな事…」




「──…俺、

何があっても彩の味方やから。」






えっ──…?



思わず言葉に詰まる。



だけど、何だか胸が詰まって苦しいのに嬉しくて。




何も……言えなかった。





この言葉が。


何気なく受けたこの言葉が。




この先、

ずっとずっと支えになっていくなんて思いもしなかったよ──…。
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