DEAR 1st SEASON


ぶんちゃんの意思表示に悲しくなる。



あたしが見る限り、
ぶんちゃんがピアスを付けているのを見た事がない。




悲しいお揃いだね…。



そりゃあみんなの前であたし達がお揃いのピアス付けていたら、みんなに怪しまれるもんね。



分かってるよ。

分かってる。


でも──…。





「……あの……」




こうなったら、当たって砕けろ精神。



気づけば、あたしはぶんちゃんに声を掛けていた。




「ん?」




「あの…
このあと、一緒に帰らない…?」




………言った。


言ってしまった。


心の中で右往左往している自分が爆発しそう。





「あぁ、いいよ。
じゃ下足で待ってるから。」




返って来たのは、見事に望んでいた返事。




やったぁ………。


嬉し過ぎて、頭から花が咲きそうだけど。



それは美術館もOKしてもらってからにしよう…。



あたしは素早く着替え、
ぶんちゃんが待っている下足室へと足を早めた。
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