DEAR 1st SEASON


「あたしね、美術選考なんだけど…」


「あ、そーなんだ?」


「それでね…その課題がね…?

美術館行って評価レポート書かなきゃいけなくて………。


あの…ッ。


もし良かったら…



一緒に行かない……?」





…………ドキン、ドキン。





よく考えたら、
デートなんて誘った事もない。


こんな誘い方で良かった訳?


もっといい言い回しが出来たんじゃぁ……。



心の中で悶えるあたしに。





「……いいよ。

俺でいいなら、一緒に行こうか。」





まさかこの返事が返って来るなんて思いもしなかったから、あたしは何度も目をパチパチさせる。




O……K……

もらえた─…?



あぁ。

平然としたいのに、

頬の端が徐々に緩んでいく。



絶対断られると思ったのに。



……ナナの言う通り、言ってみるもんだな。





「じゃあ、明日とかは早速どう?」



「えっ!!うん!!」



「よし、じゃあ決まりな♪」



高山さんがにっこり笑う。




明日……。



何だか本当に夢みたいだ…。
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