DEAR 1st SEASON


──その夜。


クローゼットからありったけの服を取り出し、一人ファッションショーを開催中。



何を着ればいいのさ…。


ワンピだと“いかにも”って感じ?


でもあたし、ワンピしかないし……。



えぇーい!

もうこうなったら全部が全部、当たって砕けろだ!!



そんな意見を貫き、渾身の一着を引っ張って来た。



ホワイトベースの、
白いお気に入りのワンピース。




サイドに自分で結ぶ大きなリボンがあって、上品。



ひらひらと動く裾に、
一目惚れで買った大好きな一枚。



よし!!
これにしよう!



バッグもワンピに合うブラックにして。

チビだから、ヒールは必須。

ネイルも、大好きなピンクのグラデーションにチェンジ。



………気がつけばワクワクしてニヤニヤしている自分がいた。



“クマが出来てはいけないから”


と早々とベッドに潜り、

明日の自分とぶんちゃんの姿を想像する。



早く明日にならないかな……。



暗闇の中から時計を何回も見つめ、今か今かと朝を待ち続けた。
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