DEAR 1st SEASON
事実を知ることを今まで頑なに拒んでいた。
でも、今日は違う。
自分の力で、この恋を左右させたいと思った。
もう振り回されたくない。
彼女の存在に怯えるのではなく。
こういう立場だからこそ、客観的に相手を見据えたいと思ったんだ─…。
「───…ねぇ…?」
「ん?」
息を吸って吐き出すと同時に、疑問の言葉も一緒に吐き出した。
「───彼女、いるの?」
短く伝えた言葉に、
それ以上付け加える言葉など必要ない。
まさしく、
当たって砕けろ精神。
なのに、変。
今すぐにでも息の根が止まってしまいそう。
──────……。
止まってしまった雰囲気を崩したのは、ぶんちゃんだった。
「───いるよ…。」