DEAR 1st SEASON
第1章出逢いと希望

第1章 出逢いと希望



───雲間から、微妙に太陽が顔を覗かせる。




わずかな雲間から射した光は、まるで選ばれた者にスポットライトを浴びせるようにしか思えない。




「………はぁ──……」




長い長い溜め息。


……それもそのはず。




無理もない。


だって今日は高校受験の合格発表。




「……番号なかったらどうしよう……。」



ギュッと握り締めた受験票に、思わず力が入る。




……なのに、青い空には白い雲。



もうすぐ満開になりそうな微妙な桜。




そうその先に──…



運命を切り分けるように設置されている合格発表の掲示板が──……。




「───きゃぁぁ!!!!

受かったぁ!!!!!!」



───すぐに目の前で歓声が鳴り響く。





歓声はさまざま。


喜びの歓声。

悲しみの歓声。




─────ゴクッ。




………今から。




果たして、自分は一体どちらの歓声を上げるんだろう───……。

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