DEAR 1st SEASON
…話さなきゃ…ね…。
じゃないと話がややこしいし…。
「朝岡さん?」
「なに?」
「あの…ね…
彩とぶんちゃん…
付き合ってるんだ…。
言うの…遅くなってごめん……。」
───あたしの予想では。
朝岡さんはニッコリ笑って、
─“おめでとう”─
そう言って祝福してくれるものだと予想していた。
………けれど。
不思議な事に、
朝岡さんは不意を突かれたように何も言わなかった。
──…少し視線が浮いたように、あたしを見て。
「……そ…うなんや?
彩、良かったやん。
おめでとう。」
さっきの、引きつった笑いを見せる。
あれ……?
朝岡さんって、
こんなに無理矢理笑う人だったっけ……?
また何とも言えない違和感が浮上してくる。
そんな事を深く考えるより先に。
「……それで?
ほんで彩は何で泣いてんの?」
「──…それが…」
不思議と、スラスラと。
喉にある引っ掛かりが解けるかのように、朝岡さんに話す事が出来た。
ずっと引っ掛かっていた、
──“彼女”の事を。