DEAR 1st SEASON
「あ、ナナ!ここは?」
「あー…ダメ、
条件はすごいいいけど18歳以上だもん。」
「…う、本当だ…。
でも働けるなら、
時給は文句言えないね?」
「なら短期かなー…
短期だと割と時給高いし。」
───…パラパラ…。
二人の間に、今までにない真剣な答弁が交わされる。
高校生って、結構制限がある上に、時給が安い。
限られてくる中で、ナナがパッと目を輝かせた。
「──おっ!★
これいーんじゃない?」
ナナがキュッとピンクの蛍光ペンでマークする。
あたしもそれを追い掛けるように情報誌を見つめた。
そこには、
“短期アルバイト募集♪”
の文字と、サンタクロース姿の女の子。
「───…クリスマスケーキ販売?」
「…うんうん♪
なかなかいいよ、これ♪」
ナナの言う通り、条件を見てもなかなかだ。
「本当だね、ここにしようよ♪」
「らっじゃー♪」
ナナはフンフンと鼻歌を鳴らして電話をして。
───5分後。
巧みなナナの電話交渉によって……
「二人とも来週から来て下さいだって♪」
見事、ナナがピースサインを出した。