DEAR 1st SEASON
少し寂しげな夜景色とは正反対な、煌びやかな街のイルミネーション。
騒がしい街並みを歩き、二人が中に入ったのは─…。
「天然石……?」
そう。
目の前には天然石がズラリと並ぶ、アクセサリーショップ。
トルコ石やローズクォーツ、トパーズ、水晶……。
様々な原石、天然石が種類別に並ぶ。
更にその天然石をブレスレットやネックレス、リングなどに加工されているコーナーもあって。
……うわぁ~…。
ギッシリと詰め込むように並ぶ石に、忙しく視線を動かす。
「ぶんちゃん、天然石好きなの?」
「うん、特にこれ。」
ぶんちゃんは、ガラス越しに見えるネックレスを指差した。
───…そこには
一際、妖しく。
光を放つ赤がある。
「“ガーネット”…?」
「俺この石が好きなんだ。
綺麗だろ?」
「うん、綺麗……」
十字架の交差する真ん中に、ガーネットは存在を絶大に示すように収まっている。
綺麗だな……。
「彩は……っと。
誕生日、2月だよな?」
「えっ、うん。」
「じゃあこれだ。
誕生石。」
──…そこには、紫に色を染める石が……。
「…アメジスト?」
「アメジストか、彩らしい。」
「…そ?」
「うん♪」
意味が分からなく首を捻るあたしを撫でるぶんちゃん。
──“彩にぴったりだな”。
その意味を、あたしは後ほど深く知ることになる─…。