DEAR 1st SEASON
……非常にヤバい…。
何も思いつかない、
この空っぽの頭。
どうしよう…。
「彩ちゃん、
ぶんちゃんが最近欲しそうにしてたものとか思い出せない?」
チカさんの提案で、更に固い頭を捻る。
「………」
うぅーん?
そんなのあったかな…
あったっけ……
………………
──────!
「あっ!」
頭にふっと浮かんだのは、数週間前の出来事。
──“俺、このガーネットが好きなんだ”──。
━━━━バチッ。
ぶんちゃんの言葉と、
あの十字架のネックレスが頭でリンクして重なる。
…そうだ。
そうだよ─…。
ぶんちゃんが欲しそうに見てた、あのガーネットのネックレス。
あれがあるじゃないか!
「…彩、何か思い出した?」
「うんっ!思い出した!
最近ね、欲しそうに見てたネックレスがあったの♪」
「いいじゃんいいじゃん♪
じゃあそれ買ってから、
みんなでお茶しよう♪」
「賛成ーっ★」
チカさんの意見に、
みんな笑顔で頷いて。
あたし達は追い風に吹かれながら、あの天然石が並ぶアクセサリーショップへと足を運んだ。