DEAR 1st SEASON

ようやく、

それぞれがお目当ての買い物を終えて入ったのは、ここいらではお洒落と評判のカフェだ。




見た目も味もなかなか。



……という、
チカさんお気に入りのカフェらしい。



入り口には、たくさんのカラーで彩られたケーキやタルトがズラリ。



ストロベリーやチェリー、ピーチ、オレンジ、ブルーベリー…

色とりどりのフルーツが盛られたケーキ。




「美味しそー…」




見るだけで、
食いしん坊を我慢出来ない乙女心が胸騒ぐ。




「本当にどれも美味しいから、好きなの頼んで♪」




キョーコとメニュー表を覗き合い……


結局、あたしが頼んだのは生クリームとフルーツが沢山盛られたフルーツタルト。



…あとはやっぱりミルクティーも欠かせない。




店員さんにメニューを頼み、ホッと一息。




「チカさん、
ここには何回か来た事あるんですか?」




あたしがそう尋ねると、チカさんはにっこり笑った。





「うん、純とも何回か来てるよ♪」




…………。





「へぇー!
朝岡さんとも?

何かお洒落で大人だなー★
ねっ?彩♪」





「……ん、うん♪」





キョーコに促され、機械的に首を動かす。




あれ……。


何だろ今の自分が作った間は…?





「純ね、あぁ見えてすっごい甘党だから♪」




「へぇー!
何か二人はすごい憧れです~。

朝岡さん本当にカッコいいし、チカさんも美人だし…

お似合いですよね♪」





「そんな事ないよ!

あたしはともかく、




純は…


本人は気付いてないけど…



……モテるから……



ちょっと周りが心配になる時もあるんだよね。」





「そんな心配全っ然いらないですよ!ねっ彩!」





「…………」





あれ…?


どうしよう、
何か何も言えないよ……。




彼女を目の前にして、
言えないよね……。





もう、3回も朝岡さんに助けて貰ってるだなんて──…。



何にもないけど…さ…。




そんな事言ったら、
チカさんを不安にさせてしまう……。

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