DEAR 1st SEASON
第10章 崩壊
第10章 崩壊
第10章 崩壊
窓に張り付く冷気。
唸る風の音。
────12月24日。
待ってましたのクリスマスイブ。
あーあ。
寒いのやだなぁ…
髪をコテで巻きながら、
冬の空を睨む。
今日はお待ちかねのトリプルデート当日。
さっきから念入りに仕上げたメイクをもう一度確認した。
───…ふわっ……。
春にミディアムまで切った髪も、今は胸まであるロングになった。
最近はふわふわに巻くのが、一番のお気に入り。
バイト代で買った新色コスメ。
ロングブーツとコート、勝負ワンピ。
“聖なる夜はやっぱり純白でしょ♪”
…と、ずっと前から欲しかったふわふわ真っ白なニットワンピを買った。
この日くらい、
別に気合い入れたっていいでしょ♪
サンタは自分。
大好きなコスメと服を、
この日の為にプレゼントしたようなもんだよ。
……と何故か気分はサンタ気取り。
ぶんちゃんへのクリスマスプレゼントもあるからだろうか。
「いってきまーす★」
しっかりクリスマスプレゼントを鞄に入れ、
ニヤニヤ笑って家を出た。