DEAR 1st SEASON
──…車が向かったのは人がとんでもなく多い街。
車から降り、
ひとたび人混みに紛れれば、ただそれだけでクリスマス気分を堪能出来そうだ。
街には所狭しとクリスマスオーラ満開。
至る所にサンタが、
ツリーが、リースが、
イルミネーションが溢れ返っている。
──…あたし達が向かったのは、映画館。
映画を見る事に決定。
チケットを買い、
映画が始まるまでの時間をゲームセンターで過ごす事にした。
──…映画開始は3時。
まだ1時間もある。
──…ゲームセンターの中に入り、まずみんなが見て目を輝かせたのが…
“UFOキャッチャー”だ。
みんなそれぞれ、
蜘蛛の子を散らしたように自分が好きな物のUFOキャッチャーに飛び付いた。
「…これ欲しいなぁ…。」
あたしが一人呟いたのは、
“プーさん”が並ぶUFOキャッチャーの前。
沢山のプーさんが、
サンタの格好をしてクリスマスプレゼントを抱えている。
「……………」
あまりの可愛いさに、
気付けばあたしはお金を投入していた。