DEAR 1st SEASON



えっ?えっ?


ちょっ…


朝岡さん───…!?





「……なっ……?」


「ん?」




朝岡さんの横顔が真剣過ぎて。



「…………」



何も言えずに。


少しだけ、引き込まれるように見つめてしまった。




──…まさか、

あたしがこれしてたのずっと見てたとか?





………ウィーン…。





クレーンが再びプーさんを狙う。



山積みの中から狙うあたしとは違い、朝岡さんはホールに近い所を狙った。



プーさんが器用にクレーンに引っ掛かる。





そして──…





───…カコン!!





「よっしゃ!!

プーさんゲットー♪」




「きゃー!!

朝岡さんすごいすごいすごいー!!超うまい!」




朝岡さんがプーさんを取り出し、ニコッと笑った。




「あげる♪」



「え?だって…」



「えぇから。」




そう言うあたしに、

朝岡さんは問答無用でプーさんをあたしに手渡した。




「あ…ありがとう……。」



「えぇよ♪

俺からのクリスマスプレゼントな♪



………あ、

安上がりになってごめん。」




そんな安上がりなんて思う訳ないじゃない。



「ううん!!
本当すごい嬉しい!

プーさん好きだから。
ありがとぉ……。」





朝岡さんはそんなあたしを見て、穏やかに笑った。




「彩の笑った顔、

クリスマスプレゼントにするわ、俺」




「?

それ、もっと安上がりじゃない?」





「…せやな。

でも俺にはお金より価値あるもん。」




くすくすと笑い、

頭を撫でる朝岡さんが本当に穏やかな笑顔を見せる。




…つられて、あたしも笑った。

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