DEAR 1st SEASON



「彩ちゃん聞いたよー。
ぐっすり爆睡してたんだって?」



チカさんがケラケラと楽しそうに近付いて笑った。



「…そうなんです…。」



「だぁーいじょうぶ♪
あたしも爆睡してたから!

…っていうか、
彩ちゃん何でそんなに真っ赤なの?」





「……ね……」



「ね?」





「…寝顔可愛いって言われたんです……」




消え入りそうな声でそう伝えると、チカさんは一瞬キョトンとしてすぐに笑った。




「あっはは!
そーいうとこが可愛いんだろうなぁ、彩ちゃんは♪

あたしなんか、寝てても純に放置されてたよー?」




バシバシとあたしの肩を叩くチカさんに、ますます顔が赤くなる。





「ねーっっっ!!!
彩!チカさん!

あれ乗りませんっ?」





キョーコが指差しているのは───…。






「………観覧車……?」




すっかり暗くなった街に、負けないくらいの光の集まり。


イルミネーションの中でも一際明るい光の群集だ。




「わぁいいね~!!♪

乗ろう乗ろう!!」




チカさんが明るくそう返事を返す。





「…クリスマスプレゼント、お互い頑張って渡そうね♪」




「……………!」





──…そう耳打ちされ、

心拍数が急に上がった。


< 229 / 370 >

この作品をシェア

pagetop