DEAR 1st SEASON



あたし自身が氷の塊になったかのように、時は一瞬にして止まった。





──ちょっと待って?





朝岡さんが?



いや朝岡さんに好きな人が出来た?








「……だから……


こんな気持ちであたしとはこれから一緒にいれないって……」




チカさんが蚊の鳴くような声でそう告げた。



嘘でしょ………?



朝岡さんはそんな人じゃないよ……



違うよ…


絶対違う……






「…あ…あたし分かってたの……



…き、気付いてたんだ、

本当は……



もうずっと…


ずっと前から純の様子が変だった…」







悪い冗談だ、これは。


そんなはずない。




だって……


だって朝岡さんはチカさんの事──…




──────……。




あれ………。




待って………?



今までに一度でも。



朝岡さんの口から。



チカさんの話が出たことあった……?


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