DEAR 1st SEASON


「チカさん…!

ちゃんと朝岡さんと話はしたんですか?」



「ううん…

あたしが一方的に逃げ出した…」



「ダメですよ!!

ちゃんと話さなきゃ!!


納得いくまで話さなきゃ

絶対後悔します!!」





「……彩ちゃん…」




あたしはね?



ううん……。


あたしにはね…?




朝岡さんとチカさんは憧れの二人なの。


二人とも大好きなの。


別れてなんて欲しくない。




二人には、いつも笑い合っていて欲しい。




だから──…






「ありがとう…

もう一回純と話してみる……。



あたし…

ちゃんと怖からずに聞いてみるね…?」





「チカさん…

待ってます。



あたし…

ずっと連絡待ってますから…。



だから二人が別れるなんて言わないで下さい…」







──…時は人は想いは、

いずれは変わっていく。


止めようがなくとも、

人は何故か必死に流れを止めようとする。




──“僅かな希望”を持って。




そう、

あたしもその僅かな希望に望みをかけていたんだ。





大好きだったチカさんと

最後の会話になるなんて

思いもせずに。

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