DEAR 1st SEASON
「…朝岡さん…」
『ん…?』
和らいだ声に、隠されている。
優しいけれど、
いつもと変わらないけれど
確実に弱り果てている朝岡さんの声。
そこには、普段の明るさが欠けていた。
「……聞いたよ…。」
『───……え……?』
「チカさんから…」
『…………』
「どうしてなの…?
朝岡さん、そんな人じゃないでしょ…?」
『………』
「……チカさんは朝岡さんの事好きなんだよ…?」
『………もう……
無理…やねん…』
「どうして──…っ」
『チカの傍に、もうこれ以上おられへん…
一緒におったら、
これから先もっとチカを傷付ける事になる……』
……そんな……。
もう二人の微笑み合ってる姿は見れないの?
何を口にしたらいいのか、全く分からずに。
「チカさんと…
ちゃんと話してね…?」
『……ん…
わざわざありがとうな…
ごめんな──…』
──自分が情けなかった。
そう言うのがやっとだった。
話を聞くだけなんてあまりにも無責任過ぎる。
大した言葉も掛けられずに。
大した力にもなれずに。
──…ただ、時間だけが残酷に流れて行った。
今頃二人は話しているだろうか。
───さらにニ時間後。
チカさんから一通のメールが届いた。
【受信メール】
From;チカさん
──────────
さっきの公園で待ってる
-END-