DEAR 1st SEASON


空には重くて厚い雲が覆っている。



…今にも雪が降り出しそうな天気。



あたしはまたさっきの道を引き返して公園に向かっていた。



チカさん…

ちゃんと話は出来たんだろうか。




納得出来たのかな…。


チカさんがまだ悲しんでいたら、今度こそ力になりたい。






───…………そして。





再び、さっきの公園に辿り着いた。



ベンチに一人、座り込んでいるチカさんが見える。



その姿を見て、キュッと胸が締めつけられた。






「───…チカさん…」




そう名前を呼んだのに。


チカさんは全く微動だにせず、反応しなかった。






「───…チカさん?」





もう一度、名前を呼ぶ。






───返事はない。





……………?




何だか様子がおかしい。






「……どうしたんですか……?」






━━━━━パンッ!








──────…え?






チカさんに触れようとして払いのけられた手。




何…………?





「……………」





だって………


だってね………?




訳が分からないの。






チカさんが無言で、

あたしを睨んでいる事が。

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