DEAR 1st SEASON
─────………。
カツン。
カツンッ──…。
チカさんのゆっくりと去っていく足音が聞こえた。
──もう……
止める力もなくて。
動く気力もなくて。
しばらくそのまま動けなかった。
「………」
目に、白い光の粒が入ってきた。
──────雪だ。
あらゆるものを浄化する白。
……消して……。
雪よ、
消して、何もかも。
……ポタッ…。
雪の上に悲しみの雫が落ちて模様を作る。
雪と涙が混ざり合うのを見ながら、どれくらい時間が経っただろうか。
「───…」
チカさんが先程投げつけた物が、ようやく視界に入ってきた。
これが頭に当たったのか……。
四角い包装された包み。
この角が頭に当たったんだろう。
どうりで痛かった筈だ。
「…………」
開けない迷いはなく……
放心状態で、その包みを開けた。