DEAR 1st SEASON


瞳がぎゅっと固く閉じたまま、開いてくれようとしない。






今さらながら──…


……何て事を言ってしまったんだろう。



恥ずかしいよ。

思いっきり恥ずかしい。





「──…彩……」


「……なに…」





「そんな事言ったら俺…




多分止まんねぇよ…?」






────…キュッ…。



思いっきり、
ぶんちゃんの言葉が脳天を刺激した。




ダメだ、もう。


好き過ぎて、どう答えたらいいか分かんない。



甘い痛みが心臓を刺激する。



赤く照れているぶんちゃんを見ると、勝手に涙が零れそうで……。





「───…行く?」




ぶんちゃんが手を差し伸べてこの言葉をくれた時には、もう自然に手を取っていた。




好きなの。


怖いの。



でも好きなの。




好きだから、怖いの。




そんな入り乱れた二つの感情と一緒に。


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