DEAR 1st SEASON


「彩、何食う?」


「ん~……」



二人でメニュー表を広げ、美味しそうな写真と睨めっこ。


どれも美味しそうだけど…。




「俺これにしよっかな。」



朝岡さんが指をさしたのは、和風のパスタ。




「じゃああたしはトマトソースのパスタにしよっかな♪」



「デザートはいらんの?」




朝岡さんが次のページをめくり、これまた美味しそうなスイーツが顔を出す。





「…じゃあ…

ティラミス……。」




「オッケ。
ほんなら俺、こっちのアイスにしよかな。」




「あっ!
あたしもそれと迷ったのー!

美味しそうだよね。」




あたしがそう言うと、
朝岡さんはくすっと笑った。





「…ほんなら俺の半分あげるわ。」



「…えっ!!いやそーいう意味じゃなくて…!!」



「えぇよ、食べ♪」




………………。





何故か恥ずかしくて赤面してしまう。


その間、朝岡さんは流れるように店員さんにメニューを頼んだ。




「…っていうか…

朝岡さん、甘いの好きなんだ…?」



「うん、俺甘党やからさ。」




─────……。




『純、あぁ見えて甘党だからさ──…』





あぁ──…


まだ……

笑顔のチカさんが脳裏に焼き付いている。




やっぱり……


罪悪感が胸を突く──…。


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