DEAR 1st SEASON
「……なに…言って……」
「……言って…?
そしたら…
俺…諦めつくから…」
「……無理…無理だよ…」
言えない……
言えないよ──…
言える訳ないじゃない…
「言って…
お願いやから…」
「……や…やだ…」
「──言え!!」
───ビクッ!!
朝岡さんと目が合う。
その黒い瞳からあたしは逃げ出せない。
どうして─…
どうしてなの……?
嫌いじゃないのに……
好きなのに──…
朝岡さん………
あたし──……
あなたのこと─……
「……ら…い……」
「聞こえへん。」
「きらい……
朝岡さんなんか……
大っ嫌い!!!」
──…そう言うと、
朝岡さんは切なく笑った。
「──…ありがと…」
……そう呟いて。
今にも泣きそうな笑顔で──…。
──…ねぇ朝岡さん…
大嫌いって言われて
“ありがとう”なんて──…
今考えたらさ……
やっぱり変で
おかしくて──…
泣けてきちゃうよ─……
あの時、
あんな…
あんな嘘ついて─…
ごめん……っ
ごめんね───…。