DEAR 1st SEASON


……え………?



思わず顔を上げると、

そこには先ほどあたしが落としたボールを抱え、こちらを見ている亮の姿だった。




……この人──……。





この学校では有名だから、何度か見たことある。




有名って言うのはもちろん、俗に言う“カッコイイ”から。




でもこんなに至近距離で見たことなんかなかった。



興味なんてさらさらなかったけど───……





───…確かに、“カッコイイ”。




『大丈夫?』



『あ、はい…』




簡単にあたしの手を握り、

立たせるのを手伝ってくれた亮に……




“ドキドキしてない”。



───…なんて言ったらウソになる。




─────ドキン……。





手が触れ合った瞬間、

あたしの胸が不覚にもときめいてしまったんだから。

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