DEAR 1st SEASON
第14章 夢物語
第14章 夢物語
第14章 夢物語
「よぉぉしっ★」
紅葉と空のコントラストが素晴らしい秋の情景の中。
給料袋を抱え、嬉しそうに走るあたし。
着実に旅行代が貯まって来ている。
…そうだ。
今日は旅行の予約も取りに行こう。
ディズニーランドのパンフレットをかき集め、一体どれがいいものかと選出する。
旅行会社で二人分の予約を取り、ウキウキで店から出た。
──明日は、いよいよぶんちゃんの受験当日。
そしてその数日後には合格発表。
どちらにしろ、これでぶんちゃんの受験が終わる。
「準備OK~♪」
手帳にしっかり二人分のチケットを挟み、ニッコリと笑った。
このチケットは、あたしからのプレゼントにするんだ。
絶対絶対合格しますように。
…いや、合格する。
まるでチケットを神様かのように崇め、あたしは日記を書き始めた。
「んーっと今日は…」
日記は欠かさず書くのがあたしの習慣。
昔から、今日一日感じた事を文にしていくのが好きだった。
何年後かは分からないが、過去を振り返った時。
辛い事が書いていても笑えるように……。
──…真っ白な紙に鉛筆を向けた時だった。
────…♪♪…♪
ケータイが鳴り響いた。